ニックネーム:ペケーニャ
性別:女性
当時の年齢:26歳
時間帯:昼
場所:チリ|バルパライソ
旅行の目的:海外放浪
私は友達と、チリのバルパライソValparaíso という町を訪問していました。
Valparaísoは美しい町並みが世界遺産に登録されていて、
観光客も多いのですが、同時に大きなスラム街もあり、乱暴なひったくり強盗が多い事でも有名な町です。
しかし、そんな町にも関わらず、私達はそれぞれショルダーバッグを引っさげ、その中にデジタルカメラ、クレジットカード、パスポート、現金などを持った状態で散歩していました。さらに悪い事に、私達は地図も見ずに、自由気ままに歩き回り、観光客の多いエリアからも外れて住宅地の中まで入っていきました。
Valparaísoの一見美しくて長閑な景色と、中途半端に旅慣れた慢心、2人であることが私達を油断させました。
知らぬ間に、14,15歳くらいの少年4人に後をつけられており、
細い路地から出るところを待ち伏せされ、
友達は瞬時にショルダーバッグを丸ごと奪い取られてしまいました。
私のショルダーバッグも簡単に肩から外されてしまいましたが、なんとか肩紐を掴み、socorro!(助けて!)と叫びながら必死に少年達とバッグを引っ張り合いました。
アドレナリンが出ていて、自分でも信じられないくらいの馬鹿力が出ました。
しばらくすると少年達は諦めて逃げ去り、運良くバッグは取り返したのですが、その代わりにアチコチ殴られて頭を4針縫うケガをしました。
バッグを引っ張り合っている最中、私の頭の中は、ここでバッグを取られたら旅が終わってしまう! とか、取られたら悔しい! という事でいっぱいで、少年達が刃物を持っているかもしれないとか、怪我をしたらどうしようとか、そういう身の安全の事はスッポリ抜け落ちていました。 実際、殴られている最中も全く痛みを感じず、頭のケガなどは少年達が逃げるまで気づきもしませんでした。
私はこの時、油断する事の愚かさ、興奮してアドレナリンが出ると痛みや恐怖が消えてしまうという事が、どんなに危険かを学びました。ひったくり強盗が刃物や拳銃を持っている可能性も当然あるのです。
住民の人達はそれを知っているので、見ていても助けてはくれませんでした。
(少年達が去ったあとは、みんな優しく介抱してくれました)
チリは、南米の中で治安が良いとされているようですが、
私はチリの他の場所(カラマ)で巧妙なスリを目撃した事もあるし、私の妹も、チリの首都サンティアゴの街中でウエストポーチのフックを何者かに外されて全ての貴重品を持っていかれてしまいました。
どこにいても、特に街中では、油断は禁物です!