今から３０年ほど前のことで、当時日本企業から米国フロリダ大学に留学していました時のことです。

夜の１０時ごろに、翌日の講義に必要な文房具がないことがわかり、急遽近くのスーパーに買いにいくことになりました。

買い物が終わって駐車場の自分の車に戻ってきたとき、突然「すまんが金をめぐんでくれ。５ドルでいいから。」と言いながら、初老の白人が近づいてきました。
当時から「夜の外出は控えるように。どこで何が起こるかわからない。」と指導を受けていましたが、買い物に行ったスーパーは、当時住んでいた田舎町でも比較的安全な地域であり、自分としても「まあ大丈夫だろう」と少し油断したところもありました。
私としては「やばい！」と思い、英語がわからないふりをしてなんとか逃れようとしましたが、相手はおかまいなしに「お願いだ！、５ドルでいいから！」とすりよってきました。
しかたなく５ドル札を渡して、相手が「ありがとう、恩に着るよ」と言われるのもそこそこに、速攻で車に飛び乗り発進しました。
結局何事もなく、損害は５ドル（当時は１ドル：２５０￥）だけですみましたが、いまから思い出しても留学中の怖かった話の一つです。日本は安全が当たり前の社会ですが、世界はそうではないということを再認識させられた事件です。