カナダ

大学図書館での教材、まんが泥棒

ニックネーム:かつての大学生

性別:女性

当時の年齢:22歳

いつ?:2009年

時間帯:昼

場所:カナダ|トロント大学

旅行の目的:留学

体験談


カナダ、トロント大学に語学留学していたときの話です。

日本が安全すぎるだけで、穏やかで比較的治安のよいカナダ、しかもトロントであっても、さすがに海外だけあって大学内ですら危ないのだと実感した出来事です。

旅行の時や知人と一緒のほうがかえって気が緩んで被害にあう私が、長期海外滞在にあたって、いつも心に念じていたことは4つ。

朝夜は外出しない、人気のないところにはたとえ友人連れでも行かない、むこうから話しかけてくる部外者は獲物を狙う人、そして最後の一つは、慣れた場所でこそ注意すること。

実際にそれを守っていればそれまでは被害らしい被害は出ませんでした。

しかし、大学図書館で日本人の後輩と一緒に勉強をしていたとき、置き引き被害は発生しました。

後輩と私は、日本の漫画の日本語版と、英語版が計4冊、そしてその日の講義の教科書計5冊を置き引きにあいました。

ふたりでトイレに立って、軽くメイク直しをして・・・わずか5分ー10分内のできごとでした。

本は重いし、ページもいくつか見たい場所を開いたままにしておきたいし、めんどうだからと机に広げたままにしていたのです。

いちいちトイレに立つのに、全部片づけてもっていく、という発想がありませんでした。

戻った時、机の上にはペンケースとふせんとノートしか残っていませんでした。

顔を見合わせあい、動揺のあまり、職員の人に「まんがを開いていたから没収されたのか?あくまで勉強のために広げていて・・・」とよくわからない質問を口々にしたのを覚えています。

答えはもちろん、そんなことはしていないし、該当する本はこちらに届いてもない、とのこと。

そこで初めて、おきびきにあったのだと悟りました。まんがと、教科書。そんなものが。大学図書館で。たった数分の間に。

今思えば、自習した席は死角になりやすい席でした。

本当に日本の大学構内だとありえないことだけに、そういうこともある、という発想がなかったことが被害につながりました。