ニックネーム:トオル
性別:男性
当時の年齢:25歳
時間帯:朝
場所:東ヨーロッパ|ギリシャ|ブカレスト
旅行の目的:観光
旅を始めて8ヶ国、ギリシャ〜ブルガリア〜ルーマニアと、険しい山々を列車やバスで乗り越え、かなり疲れが出てきた。
東ヨーロッパは経済状況も治安もそれほど芳しくはない。
夕暮れ時、ブカレスト駅に着くとすぐに、翌日黒海へ日帰りで行きたかったので、コンスタンツァまでの往復券を購入しに窓口へ。
閉館時間が近く焦って探し向かうと、
幸いユーレイルパスのインターナショナル窓口は空いていた。
今思うと、確かに狙い目な場所だった。
そこの窓口の女性は素人で、ユーレイルパスの使い方を知らなかった。
無料でチケットが取れるはずだといくら言っても、明日また来てボスと話してくれの一点張り。
日帰りで行くには早朝出発しないといけない為、前日でないとなかなかチケットが取れない。
疲れもあり落ち込んでいると、
恰幅の良い男性が、
「May l help you?」
信用出来そうな見た目では全くなかったが、好奇心と疲れとで、任せてみる事にした。
男性は、予想以上に優しく対応してくれ、窓口の女性にはそれなりに厳しく説明してくれた。
だが結果チケットは取る事が出来ず、明日出直す事になった。
男性が
ホテルはどこ?送っていくよ。
と言ってくれ、ふいに地図を見せる。
よし、行こう、と一緒に歩き出すと、
今回の件は、50ドルで良いよ。〜〜
と喋り出した。
待て待て。お金は持ってない。約束もしてない。歩いて帰るから大丈夫だ。ありがとう。
と言い、立ち去ろうとすると、
1h!
といきなり叫びだした。俺の時間を使っただろ、と言いたかったのだろう。
そこからいくつか言い交わし、立ち去ろうとすると、ずっと叫びながらついてくる!
携帯電話で誰かにかけだしたりした!
あっ、ホテルの場所も知られてる!
冷静を装いながらも、早足で尾行を巻いて、ホテルに直行した。
彼には出くわさなかったが、その街では不安がつきまとい、すぐに出ていった。
50ドルくらいは払っても良かったのかもしれないが、今ではスリルあるいい思い出。
日本の感覚で親切を受けてはいけないな。
しかし、多分彼はただのタクシーの運転手だったのだろう。