ニックネーム:車輪の上
性別:男性
当時の年齢:44歳
いつ?:2018年
時間帯:深夜
場所:ドイツ|ミュンヘン発夜行列車の車内
旅行の目的:観光
ヨーロッパ夜行列車で大流血の体験談
昨年の5月に妻とヨーロッパ旅行に行き、約10日間かけてドイツ、オーストリアの各都市を回りました。
ドイツのミュンヘンからオーストリアのリンツへ移動する夜行列車の中でこの事件は起こりました。
妻のたっての希望で寝台列車を利用することにしたのですが、ミュンヘン中央駅から深夜に乗車してみるとなんともレトロ感漂う、と言えば聞こえはいいのですが、なんだか陰鬱さの漂う古い車両でした。
車内のいたるところにチェコ語で説明書きがありましたので、「おそらくチェコ製の車両だな」などと思いつつ予約した部屋に入ってみると、せ、狭い・・・。
ベッドも普通のコンパートメントの座席を折りたたんでその上にマットレスを置いただけの簡単なもの。
果たしてこの狭いベッドから転落せずに安眠できるのだろうか、と疑念を抱きつつも、当然のごとく上段のベッドを確保してワクワクしている妻のために壁に立てかけてあった梯子を外そうとしました。
梯子を壁のフックから外したその瞬間、「カシャン!」という音とともに私の左手人差し指の先端からは血が噴き出していました。
どうやら梯子は二段構造になっていてフックから外した瞬間に梯子の上段部分がさながらギロチンのように落ちてくる仕組みになっていたのです。
しかもレトロな車両にふさわしく梯子は重厚感あふれる鉄製・・・。
そんな「処刑器具」の餌食となったわが人差し指は危うく指の腹の肉がそぎ落とされそうになる傷を受けてしまいました。
指先から溢れ出る血に動揺しつつも、車掌室が近かったことを思い出して廊下をダッシュ!道中目撃されたほかの乗客に顔をしかめられ「オーウ」とか言われながらなんとか車掌室にたどり着き、血まみれの指とジェスチャーだけで事態を察した車掌から応急処置を施され何とか事なきを得ました。
が、当然その夜は一睡もできるわけがなく、翌早朝に着いたリンツでは応急処置を施してくれる病院を探して奔走する羽目となり、半日以上もそれに費やすことになってしまいました。
今となっては「旅行の鉄板エピソード」の一つとなっていますが、未だ指先に残る傷跡を見るたびに次回旅行では夜行列車は利用すまい、と思ってしまうのです。