アジア

地元の市場で危機一髪

ニックネーム:Papaya

性別:女性

当時の年齢:40歳

時間帯:朝

場所:カンボジアの市場

旅行の目的:移住

体験談

 カンボジアに住み始め、たいぶ慣れてきた頃の話。いつも通う地元の市場へ、買い物に行きました。

市場の朝は活気があって、地元の人で溢れています。

狭くて泥だらけの通路には、売り物の生きた魚が飛び出してきたり、通路よりも幅の広い荷物を積んだバイクが通ったり、とにかく通るのも一苦労。

そんな通路に面した八百屋さんで、買い物をしていた時、何かお尻のあたりに違和感を覚えました。

私は普段、安いトートバッグを持ち歩いています。

市場では、買った肉も魚も、時には汁物だって全部ビニール袋に入れます。

だから、バッグに血や汁がつくこともよくあって、汚れたらザブザブ洗える安いトートバッグはとても便利です。

お尻に違和感を感じた時も、私はトートバッグを下げていて、携帯電話や長財布はバッグの底の方、そう丁度お尻のあたりにありました。

通路が狭いので、人が通る時にあたったんだろうと思い、買い物を続けていましたが、また何かが。それも、小刻みに何度か触れてくるので、ちょっとイラっとして手で払いました。

その時後ろに大柄な女性がいたのを見ました。

通るのに邪魔なのかと思い直して、数歩ずれたのですが、また何かが。そして、後ろは振り向かず足元を見た時、さっきの大柄な女性が真後ろにいたんです。

鈍いので、そこでようやくやばいと気付きました。人が少ない所へ移動して、すぐさま身の周りをチェックしました。

・・・やられた。

トートバッグは20センチ以上裂け、中身が見えていました。幸い、財布も携帯も家の鍵も、何も盗られていませんでしたが、どうみても刃物で切られた跡でした。

スパっと切られなかったのは、安いながらも厚手の生地のおかげです。

ガリガリ、ザクザク、何度も刃をあてたような跡があったので、よくもまぁ、お尻を切られなかったものです。