インドネシアのバリ島へ旅行中のことです。

バリはとにかく歩いているだけでいろんな客引きに捕まります。

髪を編むとか、ガイドをしてあげるとか、日本語で話しかけてきます。

そういう人達には気をつけていたのですが、つい油断した拍子に被害にあってしまいました。

場所はビーチ。

特に観光客が多いビーチで、いつものようにたくさんの客引きがいました。

全てノーサンキューで突き通していたのですが、ある家族連れに声をかけられました。

母親と、抱かれた赤ちゃん。

そして母親の服を掴んで立っている男の子と女の子です。

母親は拙い日本語で、「エハガキ、コレダケ、オネガイ…」と絵葉書を差し伸べてきました。

これまで通りノーサンキューと言おうと思ったのですが、母親も子供もぼろぼろの服をまとっているし、抱かれた赤ちゃんはなんだか痩せているように見えてしまい、まぁ絵葉書ならいいか…と購入することにしました。

値段は日本円で300円ほどです。人助けだと思おう、と購入し、その母親も嬉しそうに何度もお礼をいいながら去っていきました。

しかしその約10分後、そろそろホテルに戻ろうと片付けをしていると、私の下げていたショルダーバッグにナイフで切られた穴が開いていました。

そして中に入れていた財布がありません…。

思い返せば、絵葉書を購入して財布をバッグにしまったあと、一言二言母親と会話しましたが、その時初めにいた男の子と女の子は私の周りを走ったり足に抱きついたりしてじゃれてきていました。

可愛いなぁと素直に思っていましたが、今思えばあの時にやられたんだなと思います。

そんなに大金は入れていなかったですが、なんだか切なくてとても残念な気持ちになりました。